
医療・福祉の現場で日々誰かを支えている皆さまにとって、「決まった時間に、バランスの良い食事を」という理想を守るのは、とても難しいことだと思います。急な対応で食事が後回しになることもあれば、不規則なリズムで食欲がわかないこともあるはずです。
でも、そんな時だからこそ、「何を食べるか」は「自分をどう労わるか」につながります。ちょっとした食べ方のコツを知るだけで、勤務終盤にやってくる、抜けない疲労感や休日が「寝るだけ」で終わってしまうもどかしさを、少しずつ変えていくことができます。今回は、明日から無理なく取り入れられる「体を助けるための、優しい食べ方」をご紹介します。
「いつ食べるか」より「順番」を意識する
決まった時間に休憩が取れない現場だからこそ、「いつ食べるか」よりも「何を先に食べるか」を意識してみましょう。
ポイントは、野菜や海藻などの副菜から口にすることです。空腹時にすぐおにぎりやパンを食べると、血糖値が急激に上昇し、その後ストンと下がる「乱高下」がすぐに起こります。この変動が大きいと、強い眠気やだるさ、ぼんやりした感じにつながることが知られています。コンビニのミニサラダやカップスープの具材から先に手をつけるだけで、こうした血糖値の乱れを抑え、勤務中の集中力を維持しやすくなります。
「分食」で眠気対策
一度にたくさん食べると、消化のために血液が胃に集中し、激しい眠気の原因になります。おすすめなのが、1回の食事を2回に分ける「分食」です。たとえば、前半におにぎり1個と温かいスープを食べ、後半に残りのおかずやヨーグルト・ナッツを摂るように分けると、胃への負担を減らしつつエネルギー不足による「フラフラ感」も防ぐことができます。
夜勤明けは、帰宅後の予定に合わせて食事を選択
帰宅後すぐに休む場合は、温かいスープやうどんなど消化に優しいものを選ぶと、体がリラックスして深い眠りに入りやすくなります。少し活動してから休む場合は、卵や納豆などのたんぱく質をプラスしましょう。「今日はすぐ寝ようかな?」と、その日の予定に合わせて選んでみてください。
深夜のカフェインには「マイルール」を
眠気覚ましのコーヒーやエナジードリンクは頼もしい味方ですが、カフェインの影響は数時間続くため、退勤の5〜6時間前を目安に飲むのをやめるのが理想です。「深夜2〜3時をラストオーダーにする」など、自分なりのルールを決めておくだけで、帰宅後の寝つきがグッとスムーズになります。
食べる順番や分け方を意識したら、次は「何を選ぶか」にも少しだけ目を向けてみましょう。コンビニ等で手に取る際に意識したい「栄養素」もご紹介します。
①ビタミンB1(豚肉・枝豆など)
糖質を効率よくエネルギーに変え、「だるさ」を軽減してくれます。疲労回復のビタミンとも呼ばれ、スタミナ切れを防ぐ心強い存在です。おにぎりのお供に枝豆や豚しゃぶサラダを添えてみてください。
② たんぱく質(卵・チーズ・バナナなど)
たんぱく質に含まれる「トリプトファン」というアミノ酸は、脳内でセロトニンやメラトニンを作るときに使われる大切な材料です。一日の食事で意識してとることで、気分の安定や、その日の夜の自然な眠りをサポートすると考えられています。
③ マグネシウム(ナッツ・海藻など)
ストレスによるイライラや、長時間の立ち仕事による筋肉の疲れやこわばりを和らげて
くれます。味噌汁のワカメや休憩中のナッツから手軽に補給しましょう。
このような栄養素は、コンビニ等を上手に活用すれば十分に補えます。次のような組み合わせを参考にしてみてください。
たとえば、おにぎりとサラダチキンの組み合わせは、糖質とたんぱく質をセットで摂ることで血糖値が安定し、眠気が出にくくなります。具だくさんスープに豆腐やヨーグルトを添えれば、体を温めつつ胃への負担を最小限に抑えられ、たんぱく質とマグネシウムも自然に補えます。おつまみコーナーに置いてある素焼きナッツも、マグネシウム補給に手軽でおすすめです。
できれば避けたいのが、揚げ物と甘い飲料だけの組み合わせです。手軽で食べやすい反面、血糖値が乱れやすく、急激な眠気やだるさを招きやすくなります。
おわりに、医療・福祉の現場で誰かを支えるあなたの体は、何よりも大切な資本です。
完璧を目指す必要はありません。
「今日はサラダから食べてみよう」
「コーヒーは2時までにしよう」
そんな小さな選択の積み重ねが、数ヶ月後の体調を支えてくれます。
まずは、自分を労わることから始めてみませんか。